借金まみれだった先輩

今から15年ほど前、当時勤めていた会社の同僚との金銭の話です。私の3つ年上の先輩が居て趣味のゲームや音楽ライブ、同じ部署で年が近いという事もあり直ぐに仲良くなりました。2人で一緒にライブに行ったりとプライベートの多くの時間を過ごしました。 ある時、先輩の車でいつもの様にライブへ行ったその帰り道、先輩が「車のガソリンがもう無くなるなー、入れないといけないな」と、しかし一向にスタンドに入りません、私がそれを指摘すると「あっ、入るの忘れてた」と言いながら近くのスタンドに入りました。すると先輩が財布を見て「あ?お金が足らないや、ある?」と私に聞いてきました、私は財布を取り出しお金を先輩に渡しました。なかなかスタンドに入らない事に少し違和感を感じていましたが「お金が無かったからスタンドに入るのを躊躇してだんだろう」と直ぐに違和感が無くなりました。 この時はこれで終わりました、そして数日経った夜に先輩から電話があり「お米ある?今月厳しくて」と、私は実家暮らしだったので特に食べる物で困っておらずお米くらいならと先輩にあげました。これ以来何かと「〇〇ある?」「ガソリン代少し貸して?」と注文が多くなっていきました。 ある日会社で仕事をしていると、同僚達が何かヒソヒソと話をしているのです、私が「何かあったの?」と聞くと、「〇〇先輩がさー」と色々な人にお金を借りているらしくて、その貸したお金が返してもらっていないとか、確かに私も貸したお金を全て返してもらっていませんでした。 そしてある日、一緒に仕事をしていた先輩が上司から呼び出されて、次の日から会社へ来なくなりました、電話をしても「おかけになった電話番号は現在、、、」といった風に繋がりません。何があったのか上司へ伺うと、先輩は借金まみれになっていて、会社の同僚からお金を借りまくって、そして返す事が出来ず、社員から上司に相談があって発覚した、と言った内容でした。そして先輩がどうなったのか、彼は会社の弁護士を頼りに自己破産をし、同僚から借りていたお金は彼の両親によって精算をすることになったことと、会社はこれを機に退職したいと本人から要望があり本人の意向に従う、といった結末になりました。私も先輩に貸していたお金を上司に話、精算してもらいました。

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